PROJECTSNo.1
![WHY](https://transit-creative.com/_wp/wp-content/uploads/cb096df388739be282eba81b5c1b1d78.jpg)
01_Concept
ごみの焼却・埋立を減らし、資源がめぐる社会の実現を目指して
四国で最も小さく最も人口の少ない町、徳島県上勝町。この町は2003 年、全国に先駆けて「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)宣言」をした町として注目を浴びています。未来の子どもたちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するために決意されたものです。そんな志を受けて、トランジットジェネラルオフィスがプロデュースした環境型複合施設の「WHY」は、上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みを象徴するプラットフォームです。
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02_Mission
Why, Why, Why, But Why
ハードコアパンクバンドの「Discharge」は、1981年にリリースしたWHYという曲で、声を大にしてこう歌います「Why, Why, Why, But Why」と。企業ブランディングの父、J・ゴードン・リッピンコットが唱えた「計画的陳腐化」とは 、「完全に使えなくなくなる前に、自ら進んで手放そうとする傾向」を人々に植付け、消費活動をより拡大させるものでした。 短期間でニューモデルを投入することで既存モデルの陳腐化を促し、買い替え需要を生み出していくというマーケティング手法もそのひとつです。これは人類が生まれもった最も古い法則の一つ、「倹約の法則」に反していますが、 先進国および新興国ではより助長されているのが現状です。なぜ?WHY?現代を生きる人々はこのようになってしまったのでしょうか? それを学ぶ場所をつくることがミッションでした。
03_Complex
環境型複合施設WHY の解剖
WHY には、資源ごみ分別場の「ゴミステーション」、不用品交換スペース「くるくるショップ」、ゼロ・ウェイストアクションホテル「ホテルWHY」、環境教育セミナールーム「ラーニングセンター」、環境問題に取り組む企業と教育機関用のオフィス「コラボレーティブラボラトリー」の機能が内包されています。なかでも「ラーニングセンター」には、“環境と経済”をテーマにしたビジネスパーソン向けの研修プログラムが年に何回か開催される場所であるとともに、上勝町民向けの交流場所として愛されるよう、小さな図書スペースやキッチンスペースが設けられています。企業や教育機関に貸し出される「コラボレーティブラボラトリー」は上勝の大自然の中、クリエイティブなマインドで社会課題を解決していくワーク&スタディスタイルの実験場となります。
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04_Branding
全てのタッチポイントにメッセージを
ロゴマーク、建物、空間、サイン、グラフィック、名刺、ウェブサイト、SNS、広告、ユニフォーム、イベントなど、これらが創り出す印象はすべてブランドのイメージに大きな影響を与える可能性があります。施設全体名「WHY」のネーミングとロゴ、施設内ホテル「HOTEL WHY」のネーミング&ロゴ、指定管理会社名「BIG EYE COMPANY」のネーミング&ロゴ、グラフィック、タグラインやキーメッセージのコピーライト、広告用ポスター、施設サイン、スタッフの名刺、オフィシャルウェブサイトやソーシャルネットワークのデザイン、ユニフォームなどのブランディングをさせていただきました。
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05_Architecture
建物もサスティナブルに
ロゴマーク、建物、空間、サイン、グラフィック、名刺、ウェブサイト、SNS、広告、ユニフォーム、イベントなど、これらが創り出す印象はすべてブランドのイメージに大きな影響を与える可能性があります。施設全体名「WHY」のネーミングとロゴ、施設内ホテル「HOTEL WHY」のネーミング&ロゴ、指定管理会社名「BIG EYE COMPANY」のネーミング&ロゴ、グラフィック、タグラインやキーメッセージのコピーライト、広告用ポスター、施設サイン、スタッフの名刺、オフィシャルウェブサイトやソーシャルネットワークのデザイン、ユニフォームなどのブランディングをさせていただきました。
06_Furniture, Art, etc
細部まで思想を貫く
捨てられた清酒ケースや古家具をアッセンブリングしてつくったフロントデスク、学校机や火鉢を組み合わせたライブラリーの本棚、シイタケのコンテナを積み上げた大窓、古タンスの引き出しでできた書類棚、老人ホームのベットをリユースしたソファー、毛糸と鹿の角のアート、古新聞とロゴを組み合わせた壁面アート、テキスタイル会社で余った生地をパッチワークにしたカーテンなど、出来るだけたくさんのディティールにゼロ・ウェイストの思想を貫きました。
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1.古家具アッセンブルフロント 2. ライブラリー本棚 3. 客室パッチワークカーテン 4. 古新聞 壁面アート 5. 客室ソファー&アート 6. 古タンス書類棚
07_Brand Experience
体験や感情の提供
ゼロ・ウェイストの考え方と価値観を、体験を通して知ってもらうために、上勝の自然、生き方、美味を感じるアクティビティーを企画し、提供できるようにしました。また、それを案内し提供するスタッフのホスピタリティマインドを高めるためにクレドを用意し、能動的な提案力を育めるようにしました。
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08_Rise & Win Brewing co.
WHY までの道のり
RISE & WIN Brewing & Co.
BBQ & GENERAL STORE
「ゼロ・ウェイストがコンセプトの生ビールがあって、量り売りでも買うことができて、自然があって、おまけにビールをつまみにBBQ なんかができたら、一度は上勝に遊びに行ってみようという人が出てくるんじゃないか」と考え企画したマイクロブリュワリー。建築設計は「Hiroshi Nakamura & NAP」。片流れの屋根を支える壁一面は、さまざまな廃材の扉を用いパッチワークの窓になっています。渋柿とベンガラを混ぜた自然由来の染料で色づけした外壁には、譲り受けた杉の端材を使用。BBQ & GENERALSTORE スペースには、空き瓶や欠けたコップをリユースしたシャンデリアが飾られています。タップから注がれる生ビールと、そのビールに漬け込まれたベイビーバックリブや阿波すだち鶏などを炭火料理で提供。2015 年に完成。
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KAMIKATZ STONEWALL HILL
CRAFT & SCIENCE
酵母の培養などを行うラボ施設「YEASTCULTIVATION LAB」、個人や企業向けに特注生産される樽熟成のビール、バレルエイジドビールのための「OWNER’S BARREL ROOM」、そのビールの内容をお客様と決めるティスティングサロン「INDIGO TOWER TASTING SALON」が入るRISE & WIN の第二生産工場。権威ある現代アートの登竜門「ターナー賞」を受賞したロンド
ンの若き建築家集団ASSEMBLE がサロンの設計を担当。プロジェクト進行の際の彼らの姿勢は、リサーチの中で出会った優れたスキルをもつ住民に声をかけて決定権や責任の一部を委ねることで、建築家が主導しがちな公共のアジェンダに、住民も愛着と可能性を感じてもらうこと。2017年に完成。