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“Showroom”の新しいカタチ
ジェネラルストアとショールームの複合型店舗「LOST AND FOUND TOKYO STORE」。
石川県の洋食器メーカーNIKKOのジェネラルストア「LOST AND FOUND」の旗艦店及びショールーム。長く愛用できる日用品の数々を扱うジェネラルストア「LOST AND FOUND 」(= 忘れ物保管所 ) は、確かな技術に基づいて長い間作り続けられてきたのに、世の中に溢れた多くのものに紛れてしまったり、今も通用するのに時代の流れに埋もれてしまった良いものが見つかる場所。ジェネラルストアには、世界中から厳選した日用品やNIKKOのメインライン食器「REMASTERED」を含む約 800 点のラインアップを、さらにショールームには NIKKOのアイテム約400点が揃う見応えのあるお店。B1Fには、高機能キッチンスタジオを完備したショールームも併設。法人様対応の商談スペースとしてはもちろん、業界や地域を盛り上げるイベントスペース、また撮影スペースとしての機能も備えており、“発信基地” としても活用。
老舗洋食器メーカー「NIKKO」が過去を掘り出す過程で見つけた、シンプルな答え
「伝えられていない」ブランドには、眠れる力がある。
114年の歴史を持つ老舗洋食器メーカーNIKKO(ニッコー)が、近年の売上停滞やショールームへの来客減を背景に始動したブランド再構築プロジェクト。その一環として生まれたのが、富ヶ谷にオープンしたジェネラルストア「LOST AND FOUND」と、新たに再編集されたプロダクトライン「REMASTERED」。ブランディングを担当したTransit Creativeとの取り組みは、単なるリニューアルを超えた“価値の再発見”でした。
NIKKOは過去に何度もブランドの刷新を試みてきたが、今回はあえて""何も足さない""というアプローチを取った。プロジェクトのスタート地点は、工場のアーカイブに残された数々の純白の食器。アートディレクター・平林奈緒美氏と共に、プロダクトそのものに宿る美しさと合理性を見出し、余計な装飾や主張を削ぎ落とした「REMASTERED」コレクションが誕生しました。
そのフォルムやサイズは、シェフの声や実用性を反映した微調整が加えられたもので、長年のノウハウが注がれた“実用品”としての美しさが際立つ。盛るのではなく、そぎ落とすことで見えてくる価値。そこには、NIKKOの開発姿勢そのものが反映されています。
ショールームをリニューアルする――当初のNIKKO側の依頼は、言ってしまえばよくあるものであった。しかしTransitは、空間だけでなく“ブランドの見られ方”そのものを再定義すべきだと提案。結果として生まれたのが、toB(業務用)とtoC(一般顧客)を両立した複合型リアルストア「LOST AND FOUND」でした。
手前のジェネラルストアでは、REMASTEREDと選りすぐりの他社製品を並列に紹介。奥のショールームでは従来のNIKKO商品群が控えており、回遊性を活かした動線が設計されている。結果、従来とは異なる新しい顧客層が訪れる場となり、商品の魅力がより立体的に伝わるようになりました。
「LOST AND FOUND」という名称には、「忘れ去られてしまった価値あるものを、もう一度見つけ出す場所」という意味が込められている。TransitとNIKKOとの協業の中で、この言葉がプロジェクトの軸となりました。
名前が生まれたことで、空間、商品、ストーリー、そしてお客様との関係性が一貫性を持ち始めた。SNSやECへの波及、メディア取材、店舗でのワークショップなど、様々な波紋がそのコンセプトから自然に生まれています。
Transitが本プロジェクトで重視したのは、単なる内装やパッケージデザインではなく、「モノづくりの思想を体験として伝える構造」の創出だった。他社製品と共存させた展示構成も、「世界の名品と並べて見劣りしないNIKKOの実力を引き出す」編集戦略によるもの。
また、ゲストシェフを招いた料理教室、ライブ配信イベント、文化や工芸とのコラボレーションなど、“モノ以外”の発信にも積極的に取り組んでいる。「語れる場所」「参加したくなるブランド体験」こそが、リピーターを生み、次なる価値を生む源泉だと捉えています。
NIKKOのリブランディング事例は、既存資産を“掘り起こし”、意味を再編集し、届け直すというプロセスそのものが、ブランド価値の源になることを示している。これは、単なる老舗メーカーの成功例ではなく、今を生きるすべての“ものづくり企業”に通じる再構築のヒントです。
そのブランド、本当に伝わっていますか?
Transit Creativeでは、プロダクト、空間、ストーリーを横断したブランドの再編集を支援しています。老舗メーカーからD2Cブランドまで、企業の「核」となる価値の再発見と発信をお手伝いします。
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ジェネラルストアとショールームの複合型店舗「LOST AND FOUND TOKYO STORE」。
石川県の洋食器メーカーNIKKOのジェネラルストア「LOST AND FOUND」の旗艦店及びショールーム。長く愛用できる日用品の数々を扱うジェネラルストア「LOST AND FOUND 」(= 忘れ物保管所 ) は、確かな技術に基づいて長い間作り続けられてきたのに、世の中に溢れた多くのものに紛れてしまったり、今も通用するのに時代の流れに埋もれてしまった良いものが見つかる場所。ジェネラルストアには、世界中から厳選した日用品やNIKKOのメインライン食器「REMASTERED」を含む約 800 点のラインアップを、さらにショールームには NIKKOのアイテム約400点が揃う見応えのあるお店。B1Fには、高機能キッチンスタジオを完備したショールームも併設。法人様対応の商談スペースとしてはもちろん、業界や地域を盛り上げるイベントスペース、また撮影スペースとしての機能も備えており、“発信基地” としても活用。
重ねた歴史を照らす、新たな光。
老舗洋食器メーカー「NIKKO」が過去を掘り出す過程で見つけた、シンプルな答え
「伝えられていない」ブランドには、眠れる力がある。
114年の歴史を持つ老舗洋食器メーカーNIKKO(ニッコー)が、近年の売上停滞やショールームへの来客減を背景に始動したブランド再構築プロジェクト。その一環として生まれたのが、富ヶ谷にオープンしたジェネラルストア「LOST AND FOUND」と、新たに再編集されたプロダクトライン「REMASTERED」。ブランディングを担当したTransit Creativeとの取り組みは、単なるリニューアルを超えた“価値の再発見”でした。
ブランドの再定義は、「引き算」から始まる
NIKKOは過去に何度もブランドの刷新を試みてきたが、今回はあえて""何も足さない""というアプローチを取った。プロジェクトのスタート地点は、工場のアーカイブに残された数々の純白の食器。アートディレクター・平林奈緒美氏と共に、プロダクトそのものに宿る美しさと合理性を見出し、余計な装飾や主張を削ぎ落とした「REMASTERED」コレクションが誕生しました。
そのフォルムやサイズは、シェフの声や実用性を反映した微調整が加えられたもので、長年のノウハウが注がれた“実用品”としての美しさが際立つ。盛るのではなく、そぎ落とすことで見えてくる価値。そこには、NIKKOの開発姿勢そのものが反映されています。
「ショールーム再考」から始まった空間ブランディング
ショールームをリニューアルする――当初のNIKKO側の依頼は、言ってしまえばよくあるものであった。しかしTransitは、空間だけでなく“ブランドの見られ方”そのものを再定義すべきだと提案。結果として生まれたのが、toB(業務用)とtoC(一般顧客)を両立した複合型リアルストア「LOST AND FOUND」でした。
手前のジェネラルストアでは、REMASTEREDと選りすぐりの他社製品を並列に紹介。奥のショールームでは従来のNIKKO商品群が控えており、回遊性を活かした動線が設計されている。結果、従来とは異なる新しい顧客層が訪れる場となり、商品の魅力がより立体的に伝わるようになりました。
ネーミングから始まる、ブランドの共感設計
「LOST AND FOUND」という名称には、「忘れ去られてしまった価値あるものを、もう一度見つけ出す場所」という意味が込められている。TransitとNIKKOとの協業の中で、この言葉がプロジェクトの軸となりました。
名前が生まれたことで、空間、商品、ストーリー、そしてお客様との関係性が一貫性を持ち始めた。SNSやECへの波及、メディア取材、店舗でのワークショップなど、様々な波紋がそのコンセプトから自然に生まれています。
Transitが描く「モノ・場・人」をつなぐブランド戦略
Transitが本プロジェクトで重視したのは、単なる内装やパッケージデザインではなく、「モノづくりの思想を体験として伝える構造」の創出だった。他社製品と共存させた展示構成も、「世界の名品と並べて見劣りしないNIKKOの実力を引き出す」編集戦略によるもの。
また、ゲストシェフを招いた料理教室、ライブ配信イベント、文化や工芸とのコラボレーションなど、“モノ以外”の発信にも積極的に取り組んでいる。「語れる場所」「参加したくなるブランド体験」こそが、リピーターを生み、次なる価値を生む源泉だと捉えています。
価値の再発見から始まるブランディングの可能性
NIKKOのリブランディング事例は、既存資産を“掘り起こし”、意味を再編集し、届け直すというプロセスそのものが、ブランド価値の源になることを示している。これは、単なる老舗メーカーの成功例ではなく、今を生きるすべての“ものづくり企業”に通じる再構築のヒントです。
そのブランド、本当に伝わっていますか?
Transit Creativeでは、プロダクト、空間、ストーリーを横断したブランドの再編集を支援しています。老舗メーカーからD2Cブランドまで、企業の「核」となる価値の再発見と発信をお手伝いします。
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Client:
ニッコー株式会社
プロダクトセレクト:
小林和人(ROUNDABOUT, OUTBOUND)
ロゴデザイン:
平林奈緒美